障がいを持つ方々が名古屋市で仕事をこなし自立した生活を支援する社会福祉法人を運営

障がいの有無に関わらず飲食で事業を営む場合、大きく分けて店頭を構えて直接販売する方法と、契約先に食品を納品する方法の二種類がございます。店頭は施設前やイベントなどで持ち販売しているものの、こちらは売り上げがその時々によって変動してしまい、安定性に欠けるといったデメリットがあります。一方で契約先に定期的に納品する場合は、契約する相手によっては定期的に安定した収益を上げられる可能性がございます。

障がいを持つ方々が、いかにご両親様に依存し過ぎずに経済的に自立していくかを考えた場合、後者の契約先をしっかり確保することがご利用者様の安定した自立へと繋がります。大変ありがたいことに、こだわりの手作りクッキーは大学やバザーなど、ある程度まとまった大口注文を定期的にいただいており、感謝の気持ちで一杯です。

大学やバザーなどに大口の注文までいただいているクッキーは、生地の製作から袋詰めまで、全ての工程をご利用者様が担当しております。一度に大量のクッキーを作って販売する手法はご利用者様には向かないため、一般的で販売されているクッキーとの差別化を図るために、味には大変大きなこだわりを持って研究を重ね、やっと完成したものが13種類ございます。

｢ゴマ、レモン、マーブル、抹茶、紅茶、チュイル、ココアチュイル、シナモン、アーモンド、チョコチップ、コーヒー、チーズクラッカー、カルシウム｣の味が揃っており、定番の味から変わりどころではカルシウム入りというものまで、取り揃えてまいりました。一袋250円で店頭販売するのとともに、おかげさまで大学などにも置いて販売していただき、大変感謝の気持ちです。

クッキー以外にもご利用者様が手作りで製作している雑貨がございます。例えば、女性のご利用者様が織姫となり、一つひとつ丁寧に鶴の恩返しなどでも有名な織り機を用いて藍染の繊維を織物へと加工しております。敷物・足拭きマット・コースターなどは、手作りならではの温もりを感じさせてくれるものです。そして現代では珍しい手すき和紙の要領ではがきまで手作りして、施設前のオープンハウスや通販で販売してまいりました。

人間は誰しも何かの役に立つことで生きがいを見出すことが多々あり、その点において知的障がいを持っている方々が自分達の力で仕事をこなして営利活動を行い、商品を買ってくださったお客様を笑顔にし、その対価としてお金をいただく、この流れをこなすことで自己重要感が身に付き、よりいきいきと暮らせるようになります。